RADYの目玉コース「LAB TO MARKET」についてでは、Lab to Market(L2M)のコース全体の流れについて紹介しましたが、ここではより具体的に、自分のプロジェクトでの体験談についてシェアしていきたいと思います(まだ始まったばかりなので都度更新していきます)。
プロジェクト
自分は特に具体的なアイデアを持っているわけではなかったので、用意されたプロジェクトの中から選びました。数あるプロジェクトの中から選んだのは、UCSDのエネルギー系の研究所から2019年にスピンオフしたスタートアップ(仮名:スタートアップA)です。
スタートアップAはざっくり言うと、寿命を終えた電気自動車(EV)からバッテリーを取り出し、メンテナンスをした上で、電力会社、工場、ビル用の定置用蓄電池として再利用(Repurpose)する技術を保有しています。DOE(Department of Energy)や、CEC(California Energy Commission)などで様々な賞を受賞している注目のスタートアップです。
チーム
最初の希望調査では定員の5名に対して6名が希望し、漏れる可能性もあったのですが、最終的には自分を含めて4名になりました。同じフルタイムMBAのクラスメートで風力発電機メーカーでエンジニア、ファイナンス、営業経験を持つメキシコ人、Flex Evening(夜間MBAコース)でサンディエゴの電力会社でファイナンスの部署で働いているインド系アメリカ人、UCSDの工学系スクールのPhDで蓄電池の電極材の製造に関する研究をしているインド人と言う、エネルギー系をバックグラウンドに持つ国際的なメンバー構成となりました。自分もエンジニアのバックグラウンドがあるので、全体的にエンジニア寄りのチーム構成とも言えます。
プロジェクトの範囲(Scope of Work)と成果物の定義
チームとして最初のタスクは、最初の6ヶ月に及ぶプロジェクトの範囲と、最終的な成果物を定義することです。プロジェクトの進捗はそれぞれ異なるので、進捗や相手が何を求めているかなどを考慮しながら、自分たちの仕事を定義していきます。すんなり行けば、いいスタートが切れるのですが、我々のチームはいきなり予想外の展開に・・・
最初のキックオフミーティングで、まずはスタートアップAがどういう技術を持っているのか、どういう課題を解決しようとしているのか、Founderから説明を受けたのですが、その場で、「実は他大学(大学A)のMBAチームが市場調査や収益性のシミュレーションをやってくれた」と言われ、チーム一同が「え、じゃあ我々のやることすでに終わってるってことやん」と困惑。それでも、まだやるべきことが残っているらしく、とりあえず大学Aチームのプレゼンとレポートシェアするからそれ目を通してみてと軽いノリで言われ、100ページに及ぶレポートを渡されました。
「まあ、まだやるべき事があるって言うくらいやから何かしらあるんやろうな」とその時は軽く考えてたのですが、いざ読んでみると、「これ以上やる事なくない?」と4人で意見が一致。しかも、キックオフとその後のメールのやり取りから、彼らが大学Aの超貴重なレポートをちゃんと読んでない可能性が高い事が分かり(どれぐらい読んだのか怖くて聞けませんでしたw)、チームの指揮がどん底まで低下。いきなり路頭に迷ってしまいました。
状況を教授に説明するものの、「まだできる事があるはずだ。」と言われ、お先真っ暗状態。完全にチームの動きが停滞してしまったのですが、一方で毎週のクラスはどんどん進んでいき、仮説検証、マーケットリサーチの手法などがどんどん説明されて、じゃあ実際のプロジェクトで使ってみてと、課題が言い渡され、自分たちのチームは「まだプロジェクトの範囲すら決まってないんですけど…」と言う状態であっという間に3週間が過ぎました。
そしてチームメートの一人からもう「このプロジェクト辞めよう。私の友人がAIを使って教育プラットフォームを開発してて、我々をすごく必要としてるからそれやらない?」と提案され、自暴自棄になったチームは、もはやクリーンテックと全く関係ないプロジェクトをやる事を決意。
教授に「もはや我々が彼らに出来ることはない」という事を説明するための論理武装をしてミーティングに望んだ結果、教授からスタートアップAに、大学Aのレポートを読んだ我々のフィードバックを伝えるとともに「本当に我々必要なの?もっと具体的に何に困ってるのか教えて欲しい」と言う事を伝えてもらいました。
そしてスタートアップAから、「君たちの助けが必要だ。ビジネスプランの検討とファイナンス分析をお願いしたい。」という返答があり、「いや、両方とも大学Aのレポートに載ってるんやけどな」と思いつつ、教授にそれを伝えると、「もう一度ミーティングして、彼らに大学Aのレポートの内容を説明して何が足りてないのか聞こう。」と言われました。「何で我々が大学Aのレポートの説明せなあかんの?」とチームメンバーからは不満が爆発し、メンバーの1人が「もうこの授業落とすかも」と言う始末。
そして2回目のミーティングを迎え、我々は「大学Aのレポートにはこう書いてあるけど、どうなんですか?」と言うのを聞きまくり、それに対する彼らの考えを聞き出しました。その結果、彼らが求めている事が少しずつ分かり始め、何となくプロジェクトの範囲が見えてきました。
紆余曲折した結果、チームとしてこのプロジェクトを続けようということになり、ようやくプロジェクト範囲と成果物の定義に着手することになりました。
つづく…


